書芸術の地平
―その歴史と解釈―

萱のり子(大阪教育大学助教授 文博)著
B5判・上製
322頁・本体8000円 税込価格8400円
ISBN4-87259-067-8 C3071 [2000]

「書」は,書き直しのない1回の所作によって線が引かれ,そこに形象ができる.近代的芸術として今日に生きている書を「書く」という行為から見るとき,新たな美が現れるのではないか.
書道家でもある著者の目は,伝統的作品の中に古代人が筆をもつ時の心の動きを読み,かなの生まれる様子を跡づけていく.
こうした視点から,日本は中国の文字や書をどのように受け入れ,どのように変容させたのか,そして書くという行為からますます離れていく現代人にとって,書の課題とは何かを提示している.
主要目次
1部 中国の書
造形理念/「自然」の実現/書の抽象性/筆意を読む
2部 かなの美の端緒/和歌と女手の結ぼれ/
作品世界の形成/書表現の自律
3部 線と形象の営み
書における線の意味/書と近代/作品の在りか/線・形象・時間
書くことからの問い 書くことへの問い
*索引 原色・単色図版つき