【阪大リーブル002】

日本文学 二重の顔

〈成る〉ことの詩学へ

荒木浩 著
(大阪大学大学院文学研究科教授)


四六判・並製・350頁 
定価2,100円(税込) 本体2,000円
ISBN978-4-87259-235-1[2007]
※第2594回「日本図書館協会選定図書」


 宝誌和尚像の顔の表皮がめくれてもうひとつの顔
がのぞく…。ゆきずりの旅の男が観音の来臨と見られ
てしまう…。日本の古典文学や芸能のテクストを読解
するとき、読むものと読まれるもの、見ること、見える
こと、見られることの間に、不思議な変化や変身がも
たらされ、古典の世界は新たな相貌を帯びてくる。
 著者は二重、三重に多層化・多面化するテクスト
の深みに分け入り、日本文学の面白さ、奥深さを読
者に味わわせてくれる。私たちはいつのまにか、日
本文学の魅力にとりつかれているのに気づく。
 図版を添え、〈成る〉をもとに構想した書き下ろし力作評論。

● 宝誌和尚像のもう一つの顔

● 『源氏物語』と『長恨歌』…秘匿の顔

● 『徒然草』の二層の「心」

● 明恵の夢をめぐって

● 南方、柳田、折口の交錯

● 落語という芸能と顔(枝雀、志ん生、文楽、円喬)

● 『今昔』『宇治拾遺』にみる二重の顔

● 『更科日記』『日本霊異記』の夢と現実