A5判・並製
270頁・本体2400円 税込価格2520円
ISBN978-4-87259-261-0 C3036 [2008]
|
 |
医療保険制度、医学と治療、遺伝子研究なども含めた広義の意味での医療において、日米両国間には共通点と相違点が交錯している。
本書では、その日米両国の医療分野における歴史的展開と現状を、「制度」と「倫理」という二つの切り口から分析する。
|
| |
主要目次
第T部医療と制度
|
第1章 |
医療制度の現状 (高山一夫)
1 医療保障面からみた米国の医療制度
2 米国の医療提供システムと医療費
3 米国医療から何を学ぶか
|
| 第2章 |
アメリカの民間医療保険制度の起源 (山岸敬和)
−国家、医師会、第二次世界大戦
1 1930年代までのアメリカ医師会と医療保険
2 第二次世界大戦と医療保険
3 公的保険への代替としての民間保険
|
| 第3章 |
1950年「社会保障制度に関する勧告」の再検討 (杉田米行)
1 社会保障制度の勧告に対する従来の評価とその問題点
2 社会保障制度審議会設立までの経緯
−公的扶助が戦後社会保障の始まり
3 社会保障制度審議会の議論
4 社会保障制度審議会の影響とその原因
|
第4章 |
福祉国家に関する意識の日米比較 (菊澤佐江子)
1 福祉国家論における日本と米国の位置づけ
2 福祉国家と医療をめぐる意識
3 データと方法
4 結果
5 考察
|
| 第5章 |
政府・企業・個人 (天野拓)
−
現代アメリカにおける医療保険制度をめぐる対立の構図
1 現代アメリカの医療保険制度と政党政治
−政府・企業・個人
2 クリントン政権の国民皆保険制度改革の失敗(199年代前半)
3 漸進的な改革へ(1990年後半)
4 ブッシュ政権期の改革(2001年以降)
|
| |
第U部 医療と倫理
|
| 第6章 |
医師の視点からみた研究倫理 (田代志門)
−金沢大学附属病院無断臨床試験訴訟を事例として
1 争点としての「研究と治療の区別」
2 訴訟の概要と意義
3 医師側の主張と論理構成とその批判的考察
|
第7章 |
遺伝子医療時代における倫理規範と法政策 (瀬戸山晃一)
−生命倫理学と法学の知的連携にむけて
1 遺伝子医療の進展が提起する主要論点
2 生命倫理学者と法学者の対話 −諸論文のレビュー−
3 生命倫理学と法律学の使命と知的連携
|
第8章 |
出世前診断の倫理問題 (徳永純)
−遺伝子、胎児の資産分析の試み
1 市場の失敗
2 胎児の出生前診断を受ける親の損失
3 資産としての遺伝子、胎児とその価値変動
4
利害関係者の広がり
5 市場の失敗の要因
|
| 第9章 |
「脱医療化」する予測的な遺伝子学検査への日米の対応
−遺伝子病から栄養遺伝子的検査まで (武藤香織)
1 遺伝子学的検査とはなにか
2 ヒトゲノム計画の開始と遺伝子学的検査への規制
3 遺伝子差別の禁止に向けて
4 消費者に直接販売される遺伝子学的検査ビジネス
5 DTC検査への規制
|
| |
|
第10章 |
HIV自宅検査をめぐる倫理学的一考察 (宮城昌子)
1 HIV自宅検査の事実的背景
2 HIV自宅検査の是非をむぐるこれまでの議論
3 HIV感染動向
4 問いの相対化−他の自宅検査との比較
5 検査機会の増大
6 監査の義務化
|
| 第11章 |
社会的構成概念としての脳死 (会田薫子)
ー合理的な臓器移植大国アメリカにおける脳死の今日的理解 |
|
1 二つの報告
2 二つの報告への反応と今日の脳死理解
3 納幹死の概念の今日
4 脳死の概念はやがて消える?
|
---------------------------------------------------------------------
【書籍紹介】『医薬ジャーナル』(2009年3月号Vol.45 No.3、医学ジャーナル社)
https://www.iyaku-j.com/MDJOURNA/iyaku/doc/2009-03/065.htm
『医療の制度と倫理―日米医療の再検討―』
杉田米行 編
大阪大学出版会より,『医療の制度と倫理―日米医療の再検討―』が2月に上梓された。編者は大阪大学言語文化研究科准教授 杉田米行氏。
本書は,広義の「医療」,すなわち,医療保険制度,福祉国家論から医学と治療,医療と倫理,最新の遺伝子研究までを取り上げ,日米両国間の共通点と相違点を浮き彫りにした1冊。
日米両国のさまざまな分野における医療の歴史と現状は,「制度」(第一部)と「倫理」(第二部)からの分析が試みられている。
第1部は「医療と制度―公共政策の歴史的展開と現状」をテーマに,「日米医療制度の現状」,「1940年代までのアメリカ医療保険制度−国家,医師会,戦争」,「1950年『社会保障制度に関する勧告』の再検討」,「福祉国家に関する意識の日米比較」,「政府・企業・個人―現代アメリカにおける医療保障制度改革と政党政治―」の5章からなる。
また,第2部は,「医療と倫理―生死にまつわる意識と倫理」をテーマに,
「日本の医師と医学研究の倫理―金沢大学付属病院無断臨床試験訴訟を事例として―」,「遺伝子医療時代における倫理規範と法政策―生命倫理学と法学の知的連携にむけて―」,「出生前診断の倫理問題―遺伝子,胎児の資産分析の試み」,「予測的な遺伝学的検査に対する日米の対応―遺伝病から栄養遺伝学的検査まで」,「HIV自宅検査をめぐる倫理学的一考察」,「社会的構成概念としての脳死―合理的な臓器移植大国アメリカにおける脳死の今日的理解―」の6章からなる。
▽A5判/266頁/大阪大学出版会刊/定価2,400円(税別)
---------------------------------------------------------------------
【関連書籍】
『トータル・イングリッシュ』(杉田米行編)
|