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海上阻止活動の法的諸相 

公海上における特定物資輸送の国際法的規制

在庫あり
吉田靖之 著
A5判 452ページ 上製
定価5700円+税
ISBN978-4-87259-575-8 C3032
奥付の初版発行年月:2016年12月

内容紹介
目次
著者略歴

内容紹介

国連や国家が海軍力を用いて公海上において物資の輸送阻止を行う「海上阻止活動(MIO)」は、国際社会に定着したと認識される一方で、既存の国際法規では十分に説明しきれない部分を内包する。本書では、MIOの系譜を丹念に辿り、既存法の範囲と限界を明示するとともに、国際社会の平和と安全の維持という強力な要請による対テロMIOの展開という状況下での国際法の動向を探求し、その合法性についても指針を提示する。 

目次

はしがき
略語一覧

序章
第1節 海上阻止活動という実行の存在
第2節 問題の対象
1.海上阻止活動の定義
2.海上阻止活動の系譜と本書における中核的問題意識
第3節 先行研究の概要とその限界
1.国連海上阻止活動及び大量破壊兵器の拡散対抗に関する先行研究
2.船舶の阻止を伴う諸活動に関する包括的な先行研究
第4節 本書における論述
1.検討対象たる海上阻止活動の範囲
2.海上阻止活動と背景時代の区分
3.主要論点

第Ⅰ部 既存の国際法枠組みにおける船舶の阻止と海上阻止活動の先駆的事例

第1章 公海上における臨検の制度
第1節 平時における海洋法の下での船舶への干渉
1.公海の航行自由の原則
2.海洋法における臨検の権利―海上法執行活動―
第2節 戦時における交戦国による船舶への干渉―海上経済戦―
1.海戦に関する法規慣例―海戦法規―
2.海上経済戦の方法―捕獲及び封鎖―

第2章 平時の緊急状態における戦時状態の擬制による船舶の阻止
第1節 平時封鎖と国際連盟の経済制裁における海軍力の使用
1.平時封鎖の概要
2.国際連盟による平時封鎖構想
第2節 国家の緊急事態における船舶の阻止
1.公海上における自衛と海洋法の限界
2.国家実行
第3節 小括と海上阻止活動の系譜への含意

第Ⅱ部 海上阻止のための規則の構築―海上阻止活動の系譜―

第3章 海上阻止活動のプロトタイプ:安保理事会決議による今そこにある危機への対応―国連海上阻止活動―
第1節 国連海上阻止活動の嚆矢―ベイラ・パトロール―
1.ベイラ・パトロールの開始までの経緯
2.英国海軍水上任務群の展開
3.ベイラ・パトロールを巡る法的論点
第2節 ポスト冷戦期における大規模な展開
1.活動の標準的枠組みと手続きの構築―対イラク―
2.領海への進入禁止と積み荷の没収―対セルビア・モンテネグロ―
3.ポスト冷戦期における最後の展開―対ハイチ―
4.活動未展開事例―対シエラ・レオーネ―
5.ポスト9/11 の時代における展開―対リビア―
6.実行のまとめ
第3節 国連海上阻止活動の国連憲章上の根拠
1.安保理事会決議における定式
2.非軍事的措置の枠内における軍隊の使用の可否
3.軍事的措置と禁輸執行を目的とした軍隊の行動
4.安保理事会の要請
5.制度化された恣意性
第4節 新たな海上阻止活動への潮流
1.海上阻止活動の系譜における始源としての意義
2.今そこにある危機への対応から潜在的脅威に対する予防的展開への拡大

第4章 大量破壊兵器拡散対抗のための予防的展開
第1節 拡散対抗にかかわる政治的意思の表明
1.拡散防止構想の概要
2.阻止原則宣言(SIP)における海上阻止
第2節 国際立法による海上阻止
1.安保理事会決議1540の起草趣旨とその要旨
2.大量破壊兵器輸送船舶の海上阻止の妥当性
3.安保理事会決議1540の特徴
4.安保理事会決議による大量破壊兵器拡散対抗の限界―北朝鮮への対応事例―
第3節 大量破壊兵器拡散対抗のための新たな条約の起草
―PSI 二国間乗船合意と2005 年SUA 条約議定書―
1.PSI 二国間乗船合意―2005年SUA 条約議定書の先駆―
2.2005年SUA 条約議定書―乗船及び捜索にかかわる多数国間条約―
第4節 海上阻止にかかわる一般的規範定立の困難性
1.国際立法及び条約による規則構築の成果と限界
2.PSI の法的評価295
3.旗国主義の壁とテロとの闘いを背景とする海上阻止活動の展開

第5章 テロ攻撃未然防止のための予防的展開―テロ対策海上阻止活動―
第1節 テロ対策海上阻止活動を巡る論点
1.21世紀初頭における海上作戦の趨勢と新たな海上阻止活動
2.テロ対策海上阻止活動の展開とその法的根拠に関する疑問
3.テロ対策海上阻止活動に関する先行研究とその限界
第2節 有志連合海上作戦部隊(CMF)の概要
1.組織編制及び任務
2.主要オペレーション―テロリスト及びテロ関連物資の海上移動の阻止―
第3節 テロ対策海上阻止活動の根拠―参加国による主張―
1.検討の枠組
2.安保理事会の要請または授権
3.自衛権行使と海上阻止
第4節 テロ対策海上阻止活動の現状
1.テロとの戦いにおける自衛権行使の継続―米国の認識―
2.対アフガニスタン武力行使の終了と海上警備活動(MSO)への移行
3.海上警備活動(MSO)における海上阻止
4.一方的措置としての対抗可能性

終章
第1節 総括
1.本書における論述のまとめ
2.海上阻止活動が内包する普遍的論点
第2節 公海上の秩序維持にかかわる新たな動向
1.特定物資の海上輸送規制にかかわる国際法の限界
2.新たな法規範形成への創造的展開

あとがき
条約一覧
判例一覧
主要参考文献
索引 

著者略歴

吉田靖之(ヨシダヤスユキ)
[略歴]
1963年生 兵庫県神戸市出身
1986年 同志社大学経済学部卒業、直ちに海上自衛隊入隊(一般幹部候補生)
1996年 海上自衛隊幹部候補生学校教官
1999年 防衛研究所国際法教官
2001年 海上自衛隊幹部学校研究部員
2008年 防衛省海上幕僚監部指揮通信情報部情報課
この間、外務省出向(在バーレーン日本大使館1等書記官兼防衛駐在官(2008年11月~2009年4月))
2010年 海上自衛隊幹部学校運用教育研究部員
この間、トルコ海軍多国間海上安全保障教育センター(MARSEC-COE)客員講師(2012年11月)
2016年 防衛省統合幕僚監部首席法務官付法務官
[研究歴]
1999年 防衛大学校総合安全保障研究科修了(社会科学修士)
2014年 大阪大学大学院法学研究科博士後期課程修了(総代)(博士(法学))
大阪大学大学院国際公共政策研究科招聘研究員(2014年9月~2015年3月)
[主な論文]
・「国連海上阻止活動の法的考察」『法学政治学論究』第43号(1999年夏季号)、1-41頁。
・「海戦法規における目標識別規則」『法学政治学論究』第73号(2007年夏季号)、1-41頁。
・「有志連合海上作戦部隊の活動と国際法(一)(二)(三・完)」『阪大法学』第62巻第1号(2012年5月)、105-133頁(一):同第62巻第2号(2012年7月)、511-535頁(二):同第62巻第5号(2013年1月)、275-288頁(三・完)。
・「南シナ海における中国の『九段線』と国際法―歴史的水域及び歴史的権利を中心に―」『海幹校戦略研究』第5巻第1号(2015年6月)、2-32頁。
・「国際海洋法裁判所ARA Libertad 事件(Case No.20)暫定措置命令(2012年12月15日)」『国際公共政策研究』第20巻第1号(2015年9月)、215-230頁。

(上記内容は本書刊行時のものです。)