日本昔話の構造と語り手
川森博司 著
紙 版電子版
昔話を土地の言葉の「語り」で地域おこしをする岩手県遠野の実践例。地域社会の深層とその変貌を探る。
出版年月 | 2000年02月 |
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ISBN | 978-4-87259-068-5 C3039 |
判型・頁数 | A5判・290ページ |
定価 | 本体6,800円(税込7,480円) |
在庫 | 品切れ・重版未定 |
日本の昔話はこれまでも多く紹介されているが,著者は長期の韓国滞在により集めた韓国民話を自ら翻訳して紹介しており,日本との類似や相違が見られて興味深い.この類似比較によって,伝承民話と共同体との密接な関連や民俗社会の日常的秩序の存在を明らかにしている.
日本の例として、岩手県遠野の地域おこし、観光化としての「昔話の語り」を紹介しながら、地域社会の変貌と今後の課題を探る。
豊富なフィールドワークによって得られた資料をもとに、昔話を構造と語りという二つの側面から見ることによって、日常生活を支えている思考のあり方を探ろうとする意欲作である。
"第1部 日本昔話の構造
1 昔話の構造分析の課題
2 韓国口承説話の分類体系の検討
3 異類婚姻譚の類型分析
4 富の獲得をめぐる昔話
5 来訪者をめぐる昔話
第2部 新しい語り手論に向けて
1 語り手への視点と語りの場の変容
2 観光の場のなかの昔話と語り手
3 岩手県遠野の観光の現場から
4 語り手の実践への視点
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川森博司(カワモリ ヒロシ)
1957年 神戸市に生まれる
1982年 大阪大学文学部卒業
1990年 大阪大学大学院文学研究科博士後期課程中退
1997年 大阪大学より博士(文学)の学位を取得
韓国蔚山大学校専任講師、国立歴史民俗博物館助手、大阪大学文学部講師を経て、現在甲子園大学人間文化学部助教授