全ての書籍 シリーズ・叢書/大阪大学総合学術博物館叢書/自然科学/総記・一般/生物学・環境 巨大絶滅動物 マチカネワニ化石
紙 版
大阪大学で発見された巨大なワニ化石「マチカネワニ」を、世恐竜学の専門家が最新の技術で分析し、新たな知見を解説。
出版年月 | 2010年06月 |
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ISBN | 978-4-87259-215-3 C1345 |
判型・頁数 | A4判・96ページ |
定価 | 本体2,400円(税込2,640円) |
在庫 | 在庫あり |
「昔、日本にも野生のワニがいたんだって!」 国内最初の化石発見は1964年大阪大学豊中キャンパス。全長約7mの巨大ワニは、化石好きの熱心な二人の青年に発見され、 ほぼ全身の骨格が発掘された。発見地名からマチカネワニ(トヨタマヒメイア・マチカネンシス)と命名され、現代のワニ類のなぞを解く鍵となっている。恐竜学者小林 快次と、世界にたった一つの巨大なタイプ標本を保存する大阪大学総合学術博物館長、江口太郎がマチカネワニ最新研究をもとに、化石骨から分かる当時の生態と現代のワニ類をとことん解説。現在のワニたちを豊富な図版で解説し、キシワダワニ、ヤゲワニなど、日本のワニ化石にも触れ、マチカネワニのなぞに迫っていく。世界の研究者からのコメントも掲載する。カラーページ豊富にワニの迫力を満載した1冊。
Ⅰ 巨大ワニ化石の発見
マチカネワニ化石の発見・マチカネワニ化石の復元
Ⅱ ワニのからだ
ワニはどのような動物なのか
ワニの頭部・ワニの耳・ワニの鼻・ワニの歯・ワニのからだと手足・ワニ類の進化・現代のワニ・ワニの分布
アリゲーター科・クロコダイル科・インドガビアル科
熱川バナナワニ園の紹介
Ⅲ マチカネワニ大解剖
研究史・発見と命名・巨大なマチカネワニ・鼻先の長い頭骨・歯と捕食・マチカネワニの歯
成長による食性の変化・ワニはどのようにして物を食べるか・化石骨からわかること—脊椎骨と年齢
マチカネワニの年齢・肋骨と鱗板骨・骨と前肢・腰と後肢
“世界で一つ”マチカネワニ、タイプ標本の展示
ワニたちの関係—系統解析
マチカネワニはどこから来たのか?
マチカネワニは現在最も近いワニ—マレーガビアル—
マチカネワニの棲んできた環境
新しい技術によって暴かれるマチカネワニ化石の中身—CTの活用
Ⅳ 世界からのコメント
トミストマ亜科の進化
東南アジアのトミストマ亜科
イタリアのトミストマ亜科
現生ワニの生物機能から考えるマチカネワニの噛む力
マレーガビアルの歩き方
東南アジアのマレーガビアル属における属の多様性について
Ⅴ 日本各地の仲間たち
日本に棲んだいたマチカネワニの仲間
もう一頭の“マチカネワニ”といわれてきたキシワダワニ
静岡県から発見されたトミストマ亜科、ヤゲワニ
おわりに
参考文献・謝辞・著者紹介
小林快次(コバヤシ ヨシツグ)
北海道大学総合博物館 准教授
(兼務)北海道大学理学院
江口太郎(エグチ タロウ)
大阪大学総合学術博物館 館長・教授
(兼務)大阪大学大学院理学研究科