全ての書籍 人文科学/歴史・地理 東アジアのナショナリズムと近代
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本書の目的は,今日も日本・韓国・中国の間で発現するナショナリズムの対立の根はどこにあるのかを,近代の歴史に沿ってその内面から理解することにある.ナショナリズムとは国民的自尊心の表現であり,その根拠はナショナル・アイデンティティ(集団としての国民の存在を価値づけるもの)であると著者はいう.三国それぞれのナショナル・アイデンティティの発現の形と他者の歴史認識を確認し,自己のナショナリズムの根拠を東アジア地域の相互関係の中で理解することをめざす.
出版年月 | 2011年07月01日 |
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ISBN | 978-4-87259-383-9 C3022 |
判型・頁数 | 四六判・346ページ |
定価 | 本体3,700円(税込4,070円) |
在庫 | 在庫あり |
本書の目的は,今日も日本・韓国・中国の間で発現するナショナリズムの対立の根はどこにあるのかを,近代の歴史に沿ってその内面から理解することにある.ナショナリズムとは国民的自尊心の表現であり,その根拠はナショナル・アイデンティティ(集団としての国民の存在を価値づけるもの)であると著者はいう.三国それぞれのナショナル・アイデンティティの発現の形と他者の歴史認識を確認し,自己のナショナリズムの根拠を東アジア地域の相互関係の中で理解することをめざす.
序章 ナショナリズムをめぐる問い
第一章 「国体」の創造 —日本(1)
1. 国体論とナショナリズム
2. 「内」と「外」
3. 国体ナショナリズムと「文明の義戦」
第二章 開国前夜から日韓併合まで—朝鮮(1)
1. 原初ナショナリズムの発現
2. 近代ナショナリズムの形成と分裂
3. 日清戦争とナショナリズムの相克
4. 日露戦争とナショナリズムの昂揚
第三章 日清戦争の衝撃と近代国家形成—中国(1)
1. 洋務運動と早期維新派
2. 戊戌変法とナショナリズム
3. 辛亥革命とナショナリズム
第四章 「脱亜」から帝国主義へ—日本(2)
1. 「世界の同情」を求めて
2. 中国の胎動と日本
3. 日中戦争と総力戦
第五章 抵抗と妥協—朝鮮(2)
1. ナショナリズムの離散と噴出—武断統治期
2. ナショナリズムの分極化—文化政治期
3. ナショナリズムの離合集散—民族抹殺政策期
4. 分裂と変質—解放後
第六章 侵略と抗日—中国(2)
1. アジア主義への呼応と反発
2. 五・四運動と反帝ナショナリズム
3. アジア民族同盟と統一戦線下の抗日戦争
終章 東アジアのナショナリズムの相克—あとがきとして
参考文献・関連年表・人名索引
米原謙(ヨネハラ ケン)
大阪大学大学院公共政策研究科教授
金鳳珍(キン ボンジン)
北九州市立大学外国語学部国際関係学科教授
區建英(オウ ケンエイ)
新潟国際情報大学教授