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全ての書籍 哲学・思想・宗教歴史・地理社会シリーズ人間科学教科書 病む

紙 版

「病む」ことの意味を見出し、治療や癒しとの比較から、「病む」にまつわる社会制度と社会のまなざしの普遍的な重要性を論じる。

出版年月2020年03月30日
ISBN978-4-87259-622-9 C1330
判型・頁数 四六判・242ページ
定価本体2,000円(税込2,200円)
在庫在庫あり
内容紹介
目 次
著者略歴

「病む」にまつわる人間科学の各アプローチにより、人間と人間社会にとっての普遍的な問題としての「病むこと」の意味を見出す。医学、哲学、霊長類学の立場から病むことの意味、生きることとの関連について論じた上で、臨床心理学、臨床哲学、社会福祉学、医療人類学の立場から様々な治療や癒やしの制度について、それらが「病」や社会にとって持つ意味について論じる。さらに、人類学と社会学の立場から、「病むこと」と社会の間に生じる様々な関係、社会における「病気」の意味について論じることで、「病むこと」とそれに向けられる社会制度と社会のまなざしが、人間社会における普遍的で不可分な重要性をもつことを明らかにする。

シリーズ人間科学 巻頭言
まえがき

第1部 群れ(社会)の中で

第1章 傷ついたサル、障がいを持ったサルの暮らし
第2章 病と生きる―病と生の哲学的分析
第3章 病むことの多様性と治ることの斉一性について

第2部 治療と癒し

第4章 「病」とコミュニティ―超高齢社会の包括ケアという新たな挑戦に向けて
第5章 病の語りと心理療法
第6章 薬と共に生きる―一錠に詰め込まれた世界

第3部 「病」へのまなざし

第7章 病のイメージ―「肥満」は病気ですか?
第8章 人はなぜ病者の物語に感動するのか
第9章 病と老化―正常と異常の境界線
第10章 死と病

索引
執筆者紹介

山中浩司(ヤマナカ コウジ)

大阪府生まれ。1988 年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。
1990 年大阪大学教養部講師。1995 年ベルリン自由大学社会学研究所客員研究員。1996 年人間科学部助教授。2000 年大阪大学大学院人間科学研究科助教授。2010年から同教授。社会思想史、科学思想史を経て、科学社会学、医療社会学を専門とする。2009 年から、大村英昭氏(故人)、伊藤公雄氏、石蔵文信氏、阪本俊生氏らと「生き方死に方を考える社会フォーラム」を主催、2012 年より希少難病患者の聞き取り調査も継続している。

石蔵文信(イシクラ フミノブ)

京都府生まれ。1982 年三重大学医学部卒業。1991 年大阪大学博士(医学)。循環器科医師。国立循環器病センター、大阪警察病院、米国メーヨークリニック リサーチフェロウを経て、1998 年大阪大学医学系研究科助手、2004 年より准教授、2013 年より2017 年まで大阪樟蔭女子大学 健康栄養学部教授。男性更年期外来を市内で開設。夫の何気ない行動や言葉が強いストレスになり、妻の身体に更年期障害のような変調を引き起こす病気を「夫源病」と名付ける。「一般医-精神科医ネットワーク(通称G-P ネット)」を立ち上げ、大阪を中心に自殺者を減らす活動や料理教室やHP(孫育のグチ帳)を立ち上げて孫育の推進のための活動をしている。

中道正之(ナカミチ マサユキ)

大阪大学大学院人間科学研究科・教授。専門は比較行動学、動物園行動学。
〈主な業績〉
中道正之(2017)『サルの子育て ヒトの子育て』KADOKAWA(角川新書)
中道正之(2019)『写真でつづるニホンザルの暮らしと心 岡山・神庭の滝の群れの60 年』大阪大学出版会

中山康雄(ナカヤマ ヤスオ)

大阪大学大学院人間科学研究科・名誉教授。専門は科学哲学、言語哲学。
〈主な業績〉
中山康雄(2016)『パラダム論を超えて―科学技術進化論の構築』勁草書房
中山康雄(2019)『言語哲学から形而上学へ:四次元主義哲学の新展開』勁草書房

池田光穂(イケダ ミツホ)

大阪大学CO デザインセンター・教授(大学院人間科学研究科教授兼任)。専門は文化人類学・医療人類学。
〈主な業績〉
池田光穂編(2012)『コンフリクトと移民:新しい研究の射程』大阪大学出版会
池田光穂ほか編著(2019)『犬からみた人類史』勉誠出版

斉藤弥生(サイトウ ヤヨイ)

大阪大学大学院人間科学研究科・教授。専門は社会福祉学、高齢者介護、北欧社会研究。
〈主な業績〉
斉藤弥生(2014)『スウェーデンにみる高齢者介護の供給と編成』大阪大学出版会
上野谷加代子・斉藤弥生(2018)『地域福祉の現状と課題』放送大学教育振興会

野村晴夫(ノムラ ハルオ)

大阪大学大学院人間科学研究科・教授。専門は臨床心理学、生涯発達心理学。
〈主な業績〉
野村晴夫(2014)生活史面接後の「内なる語り」.『心理臨床学研究』32,336-346
野村晴夫(2017)自己語りと想起が促す生活史の再編.『心理臨床学研究』35,4-14

モハーチ・ゲルゲイ(モハーチ ゲルゲイ)

大阪大学大学院人間科学研究科・准教授。専門は医療人類学、科学技術社会論。
〈主な業績〉
モハーチ ゲルゲイ(2017)薬物効果のループ―西ハンガリーにおける臨床試験の現場から『文化人類学』81(4),614-631.
モハーチ ゲルゲイ(2019)病気と付き合う―慢性病の食事療法をめぐる民族誌的試論.森明子(編)『ケアが生まれる場―他者とともに生きる社会のために』297-314,ナカニシヤ出版

野島那津子(ノジマ ナツコ)

大阪大学大学院人間科学研究科・助教。専門は社会学。
〈主な業績〉
野島那津子(2018)「探求の語り」再考―病気を「受け入れていない」線維筋痛症患者の語りを通して.『社会学評論』69(1),88-106
野島那津子(2017)診断のパラドックス―筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群及び線維筋痛症を患う人々における診断の効果と限界.『保健医療社会学論集』27(2),77-87

平井啓(ヒライ ケイ)

大阪大学大学院人間科学研究科・准教授。専門は健康心理学。
〈主な業績〉
大竹文雄・平井啓 編著(2018)『医療現場の行動経済学』東洋経済新報社
Hirai K, Ishikawa Y, Fukuyoshi J, et al. (2016) Tailored message interventions versus typical messages for increasing participation in colorectal cancer screening among a non-adherent population: A randomized controlled trial. BMC Public Health 16: 431.

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