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全ての書籍 シリーズ人間科学教育・心理社会哲学・思想・宗教教科書 争う

紙 版

教育学、心理学、文化人類学、動物行動学、共生学等、様々な専門分野から「争う動物」である人間にアプローチする。

出版年月2022年03月31日
ISBN978-4-87259-624-3 C1330
判型・頁数 四六判・222ページ
定価本体2,000円(税込2,200円)
在庫在庫あり
内容紹介
目 次
著者略歴

争いは、進歩や発展の原動力か?回避・解決すべき課題か?――
人間とは争う動物である。もちろん、人間以外のすべての生き物も、自らが生き残るために、そして子孫を残すために、同種内で、および他の種の生き物と日々争っている。それはふつう「生存競争」と呼ばれる。しかし、人間にとっての争いは、やはり特別な意味合いを有している。人口が爆発的に増加し、南極を除く地球の陸地のほぼ全体に生息域を広げ、そして高度に発達した国家と社会を形成した結果、人間は、国家と社会の枠組みの中で、および広く地球環境の中で、多種多様な争いを経験している。それは、食と性をめぐるたんなる「生存競争」という次元にとどまらない、複雑な様相を呈している。現代世界は、争いに満ちているといっても過言ではない。争いは、進歩や発展の原動力であると同時に、回避あるいは解決すべき課題でもある。
 本書には、教育学、心理学、文化人類学、動物行動学、共生学等、人間科学のさまざまな専門分野から争いというテーマにアプローチした成果が収められている。第1部では、学校、野猿公苑周辺、そして裁判といった様々な制度や空間における争いが考察されている。第2部では、日系ブラジル人やインドネシア、ベトナムを対象として、研究者が調査研究の対象としている人々における「争い」をいかに発見するのか、そしてそのことが、対象の人々のより深い理解にいかにつながるのかを知ることができる。第3部では、災害復興、家族・恋人間の暴力、オセアニアの伝統文化を事例に、私たちが争いからいったい何を学ぶことができるのか、考えを巡らせる。
 「争う動物」である人間は、他の存在との共存や共生をいかに実現することができるのか。本書はこの根源的な問いに対する人間科学からの挑戦である。

はじめに 
第1部 争いの場
第1章 時として泥沼化する保護者対応トラブル ―教師と保護者の争い
第2章 現場を共有することで生じるサルと人間の軋轢
第3章 公判で争う―法の想定を科学的視座から考える
第2部 争いの発見
第4章 日本とブラジルを往還する家族の生活とコンフリクト
第5章 主食の変化にみる「争い」 ―インドネシア・パプア州における糖尿病の事例から
第6章 感染症という闘いと共生
第3部 争いからの学び
第7章 争いとしての災害
第8章 闘争後の闘争―トラウマティックな関係性の再演と回復
第9章 伝統文化をめぐる争い

栗本英世(クリモトエイセイ)

大阪大学大学院人間科学研究科・教授。奈良県生まれ。1980 年京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。修士(文学)。国立民族学博物館助教授等を経て、2000 年大阪大学大学院人間科学研究科助教授。2003 年から同教授。社会人類学とアフリカ民族誌学を専門とし、南スーダンのパリ人と、エチオピア西部のアニュワ人を対象とする長期のフィールドワークに従事。個別社会に関する狭義の民族誌的調査研究を継続する一方で、内戦や民族紛争、難民、食料安全保障、人道援助、平和構築と戦後復興といった領域に研究テーマを拡大し、取り組んでいる。

モハーチ・ゲルゲイ(モハーチゲルゲイ)

大阪大学大学院人間科学研究科・准教授。ブダペスト(ハンガリー)生まれ。2010 年東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得退学、2018 年大阪大学博士(人間科学)。大阪大学大学院人間科学研究科助教を経て、2018年から同准教授。医療人類学、科学技術社会論(STS)を専門とする。15 年以上にわたり、北海道を主な調査地とし、慢性疾患の治療を可能にする身体と医療技術との相互作用を民族誌の手法を用いて探究してきた。近年、北ベトナムと西日本の山岳地帯でフィールドワークを展開している。薬用植物の栽培および研究開発の現場を中心に、創薬の草の根運動とも連携しながら、医療の環境負担をめぐる難問の人類学的研究に取り組んでいる。
〈最近の主な業績〉
Mohacsi Gergely.( 2021). Toxic Remedies: On the cultivation of medicinal plants andurban ecologies. East Asian Science, Technology and Society 15(2): 192-210. doi:…

山田一憲(ヤマダカズノリ)

大阪大学大学院人間科学研究科・講師。岐阜県生まれ。2007 年大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了、博士(人間科学)。日本学術振興会特別研究員(京都大学野生動物研究センター)を経て、2010 年より現職。一般社団法人日本霊長類学会理事。一般社団法人ニホンザル管理協会監事。岡山県真庭市に生息する勝山ニホンザル集団と兵庫県洲本市に生息する淡路島ニホンザル集団を対象としたフィールドワークを継続してきた。サルの豊かな個性を明らかにするために、子ザルの行動発達、社会行動の地域間比較、野外での認知実験、深層学習を用いた個体識別プログラムの開発などの研究に取り組んできた。
〈最近の主な業績〉
山田一憲(2019)助けるサル、助けないサル.渥美公秀・稲場圭信(編)『助ける(シリーズ人間科学2)』大阪大学出版会.196-208
山田一憲(2019)おっぱいはいつまであげる?―ニホンザル.齋藤慈子・平石界・久世濃子(編)/長谷川眞理子(監修)『正解は一つじゃない 子育てする動物たち』東京大学出版会.93-106

小野田正利(オノダマサトシ)

大阪大学名誉教授。専門は教育制度学。
〈最近の主な業績〉
小野田正利(2017)『「迷惑施設」としての学校―近隣トラブル解決の処方箋』時事通信社 小野田正利(2015)『先生の叫び 学校の悲鳴』エイデル研究所

綿村英一郎(ワタムラエイイチロウ)

大阪大学大学院人間科学研究科・准教授。専門は法と心理学、社会心理学。
〈最近の主な業績〉
Watamura.E, Saeki. M, Niioka. K, Wakebe. T.( 2016). How is the Death Penalty System
Seen by Young People in Japan? ― An analysis of a survey of university students ―.Advances in Applied Sociology, 6(2): 29-35. doi:10.4236/aasoci.2016.62003.
綿村英一郎(2017)量刑判断.越智啓太・桐生正幸(編)『司法・犯罪心理学』北大路書房.548-549
綿村英一郎(2017)刑事司法と心理学―よりリアルなフィクションを求めて―,『罪と罰』54(4): 35-47

山本晃輔(ヤマモトコウスケ)

関西国際大学社会学部・講師。専門は教育社会学。
〈最近の主な業績〉
大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター(編)(2021)『共生社会のアトリエ 大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センターの挑戦』大阪大学出版会
山本晃輔(2020)トランスナショナルな生活世界―往還する日系ブラジル人の教育経験から.額賀美紗子・芝野淳一・三浦綾希子(編)『移民から教育を考える―子どもたちをとりまくグローバル時代の課題』ナカニシヤ出版.135-146

木村友美(キムラユミ)

大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター・講師。専門はフィールド栄養学、公衆衛生学。
〈最近の主な業績〉
Kimura, Y., Sasaki, R.( 2022). Staple food shift in Papua, Indonesia: a discussion based on
the study of diabetic patients and the cultural significance of sago palm. SAGO PALM,29(2): 53-62
木村友美(2018)ヒマラヤ高所における食の変化と病―「フィールド栄養学」研究から.八十島安伸・中道正之(編)『食べる(シリーズ人間科学1)』大阪大学出版会.145-175

宮前良平(ミヤマエリョウヘイ)

大阪大学大学院人間科学研究科・助教。専門は災害心理学、グループ・ダイナミックス。
〈最近の主な業績〉
宮前良平(2020)『復興のための記憶論 野田村被災写真返却お茶会のエスノグラフィー』大阪大学出版会
宮前良平(2020)死者との共同体 記憶の忘却と存在の喪失.栗本英世・河森正人・志水宏吉・檜垣立哉・モハーチ ゲルゲイ(編)『共生学宣言』大阪大学出版会.235-255"

野坂祐子(ノサカサチコ)

大阪大学大学院人間科学研究科・准教授。専門は臨床発達心理学、教育心理学。
〈最近の主な業績〉
野坂祐子(2021)傷つけられた子どもたちと、傷つける/傷ついた社会の〈再生〉―トラウマインフォームドケアの視点.『臨床心理学』124, 428-433
野坂祐子(2019)『トラウマインフォームドケア―“問題行動”を捉えなおす援
助の視点』日本評論社

白川千尋(シラカワチヒロ)

大阪大学大学院人間科学研究科・教授。専門は文化人類学。
〈最近の主な業績〉
白川千尋(2015)『南太平洋の伝統医療とむきあう―マラリア対策の現場から』臨川書店
白川千尋(2014)『テレビが映した「異文化」―メラネシアの人々の取り上げられ方』風響社