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全ての書籍 人文科学歴史・地理総記・一般 「ひと」とはだれか?

〈ひと〉から問うジェンダーの世界史 第1巻

「ひと」とはだれか?

身体・セクシュアリティ・暴力

三成 美保小浜 正子鈴木則子 編集

紙 版

ジェンダー視点で問い直す新しい世界史通史!「ひと」はどのような存在なのか、「ひと」の生にジェンダーはいかに作用しているのか。

出版年月2024年02月29日
ISBN978-4-87259-777-6 C0020
判型・頁数 A5判・278ページ
定価本体2,400円(税込2,640円)
在庫在庫あり
内容紹介
目 次
著者略歴

ジェンダー視点で見る新しい世界史通史
歴史を形成してきた「ひと」とは何か。「近代市民」モデルを問い直す!

この世界に生きる「ひと」は年齢・身体的特徴・性自認・性的指向等、多様な属性を持つ存在であるが、国家や社会はしばしば「ひと」を単純化し、望ましい役割や振る舞いを割り当てる。とりわけジェンダーは「ひと」の定義の根幹にかかわる存在である。本巻では「ひと」の生にジェンダーがいかに作用しているのかを、「身体・ひと」「生殖・生命」「セクシュアリティ・性愛」「身体管理・身体表現」「性暴力・性売買」の各領域について歴史的視座から検討し、その構造を考察する。

第1章では、各文化における身体・生命観を問い、社会的規範としての「らしさ」がいかに構築されるのか、「ひと」がいかに分類され、差異化されたのかを比較史的に明らかにする。
第2章では、産む身体としての女性身体、産まれる子の生命、人口政策・人口動態を論じる。
第3章では、歴史上の多様な性愛・結婚の在り方を確認し、LGBTQの人びとの在り方をめぐる比較史に焦点をあてる。
第4章では、「健康」の文化性、身体描写や身体表現のジェンダーバイアスを検討する。
第5章では、性暴力の歴史と買売春の比較文化を叙述する。

■本シリーズの特徴

世界史通史としての本シリーズの特徴は、「国家や政治・外交・経済」といった「大きな物語」を中心に記述するのではなく、等身大の「ひと」を中心に据え、それを取り巻く家族や共同体、グローバル経済や植民地主義といったテーマに段階的に踏み込んでいくという構成にある。

近代歴史学の根底にある近代市民社会モデルは、暗黙の裡に「健康で自律的な成年男性」をその主たる担い手と見なしていたが、それは一方で女性や社会的弱者を歴史から排除することにもつながっている。本シリーズでは、単に歴史の各トピックについて、ジェンダー史の知見を紹介するのみにとどまらず、「ひと」はそもそも「ケアしケアされる存在」である、という認識に立って、世界史の叙述そのものを刷新することを目指している。

総論―「ひと」から世界史を問うことの意義

第1章 身体と「ひと」
 1)概論 「ヒト」と「人格」
 2)身体の語られ方
  ◆コラム① 古代ギリシアの身体論
  ◆コラム② セクシュアリティに関する4 要素―LGBTQ +とは?
 3)伝統社会における「男らしさ」
 4)近代国家の市民権と男性性
 5)さまざまな「らしさ」
  ◆コラム③ ビザンツの宦官
  ◆コラム④ 「アンコンシャスバイアス」への着目
 6)「ひと」の分類・差異化・権利保障
  ◆コラム⑤ アイヌ女性と伝統文化―同化政策から権利回復へ
  ◆コラム⑥ オーストラリア先住民アボリジニ―女性の儀礼世界
  ◆コラム⑦ 骨相学と生来性犯罪者説―「科学」という名の女性嫌悪

第2章 生殖と生命
 1)概論 生殖と生命
 2)「産むべき身体」と「生まれるべき生命」
  ◆コラム⑧ インドにおける間引き・中絶
  ◆コラム⑨ オウコチョウ
  ◆コラム⑩ フランスの産婆椅子
  ◆コラム⑪ ムスリム社会の生殖とジェンダー
 3)リプロダクティブライツ
  ◆コラム⑫ ピル(経口避妊薬)がもたらしたイノベーションと日本の状況
  ◆コラム⑬ 移民女性の視点で見た日本における避妊と中絶の課題
 4)生殖革命と生殖補助医療
  ◆コラム⑭ 代理出産
  ◆コラム⑮ 生殖医療の商業化
 5)人口と家族
  ◆コラム⑯ 中国の計画出産と「一人っ子政策」
  ◆コラム⑰ 東南アジアの人口とジェンダー
  ◆コラム⑱ 南アフリカの家族計画と人種
  ◆コラム⑲ 北欧の家族政策

第3章 セクシュアリティと性愛
 1)概論 セクシュアリティ規範とその変化
 2)セクシュアリティと性愛・結婚
  ◆コラム⑳ フランス文学と恋愛
  ◆コラム㉑ アフリカの女性婚
 3)LGBT/SOGI
  ◆コラム㉒ 国際人権とSOGI
  ◆コラム㉓ トランスジェンダー学生と女子大学
 4)歴史のなかの「性の多様性」
 5)男性同性愛と政治
  ◆コラム㉔ 台湾の同性婚

第4章 身体管理と身体表現
 1)概論 身体管理と身体表現
 2)身体管理と「健康」
 3)「病い」と「障害」
  ◆コラム㉕ 女子割礼(アフリカ)
  ◆コラム㉖ 誤解されたHIV
 4)服飾と化粧
 5)身体描写と身体表現
  ◆コラム㉗ ムスリム女性のヴェール
  ◆コラム㉘ 明治期の女性風俗改良

第5章 性暴力と性売買
 1)概論 性暴力と性売買
 2)性暴力の歴史
  ◆コラム㉙ トルコの名誉殺人
  ◆コラム㉚ #MeToo
 3)買売春
  ◆コラム㉛ 江戸時代の男娼
  ◆コラム㉜ 「からゆき」と「じゃぱゆき」

三成 美保(ミツナリ ミホ)

追手門学院大学法学部教授
『ジェンダーの法史学―近代ドイツの家族とセクシュアリティ』(勁草書房、2005年)
『同性愛をめぐる歴史と法―尊厳としてのセクシュアリティ』(編著、明石書店、2015年)

小浜 正子(コハマ マサコ)

日本大学文理学部教授
『中国ジェンダー史研究入門』(共編著、京都大学学術出版会、2018年)
『一人っ子政策と中国社会』(京都大学学術出版会、2020年)

鈴木則子(スズキノリコ)

奈良女子大学生活環境学部教授
『江戸の流行り病―麻疹騒動はなぜ起こったのか』(吉川弘文館、2012年)
『近世感染症の生活史―医療・情報・ジェンダー』(吉川弘文館、2022年)

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