紙 版
武者小路実篤・志賀直哉らが創刊した同人雑誌『白樺』。謎に包まれた『白樺』派の全容を明らかにする。
出版年月 | 2023年07月30日 |
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ISBN | 978-4-87259-782-0 C3093 |
判型・頁数 | A5判・610ページ |
定価 | 本体7,900円(税込8,690円) |
在庫 | 在庫あり |
武者小路実篤・志賀直哉・長与善郎などの『白樺』派とは、いったいどのような人たちだったのか?
武者小路実篤・志賀直哉ら十数名が創刊し、足かけ14年にわたって刊行された文芸同人雑誌『白樺』は、大正期に多くの共感を呼び、広範囲に影響を及ぼした。『白樺』派は、文学史や文化史において大きな存在でありながら、その核心や全体像はいまだ解明されていない。本書は、多彩な個性を持つ彼らがなぜ強く結束できたのか、なぜ特に西洋美術に傾倒したのか、謎に包まれたままの『白樺』派の全容を明らかにする。
発信の場としての同人雑誌が討論の場としての集会と共存していることを明らかにし、西洋の文学や美術とのかかわりや日本の美術界(洋画界)の発展過程を検証し、大正期の社会変遷をふまえて、さまざまな繋がりの中で動く『白樺』派の実態を緻密に描き出す。
第1部『白樺』について
第1章『白樺』派の位置づけと特色
第2章『白樺』編年史
第2部 文学と美術について
第3章『白樺』に先行する芸術活動―『明星』・『スバル』『方寸』とその時代状況
第4章『白樺』における西洋美術―第一期の西洋美術紹介を中心に
第3部 三人の同人について
第5章 武者小路実篤の思考
第6章 初期の志賀直哉
第7章 長与善郎の成長
清水康次(シミズ ヤスツグ)
1954年、奈良県生まれ。京都大学大学院文学研究科国語学国文学専攻修士課程修了。大阪女子大学助教授、京都光華女子大学教授等を経て、大阪大学大学院文学研究科教授、2019年3月定年退職、大阪大学名誉教授。博士(文学)(京都大学)。
著書等に、『芥川文学の方法と世界』(1994.4、和泉書院)、『「羅生門」の世界と芥川文学』(2019.1、大阪大学出版会)、「単行本書誌」(『定本 漱石全集』第27巻、2020.1、岩波書店)などがある。
書評・紹介 2023年12月28日
『「白樺」派の研究』が『週刊読書人』で書評されました
『週刊読書人』1月5日号に、本書の書評が掲載されました。「『白樺』派に、新たな読みの可能性が拓かれる」評者は尾西康充先生(三重大学)です。