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阪大リーブル 25

〔オンデマンド版〕ベルリン・歴史の旅

都市空間に刻まれた変容の歴史

平田達治

紙 版

陰と陽の両側面からベルリンの魅力的貌を紹介

出版年月2024年08月30日
ISBN978-4-87259-815-5 C1322
判型・頁数 四六判・328ページ
定価本体3,600円(税込3,960円)
在庫在庫僅少
内容紹介
目 次
著者略歴

第一次大戦の敗北と虚脱,激しいインフレ,ワイマール共和国の首都,ナチス支配の中心,そして壁建設と東西冷戦の最前線へ.20世紀を通し,ベルリンほど歴史の荒波に翻弄された都市はない.ユダヤ系の文人や芸術家が活躍し,独自の都市文化を生んだ都市.毎年のように現地を訪問し,陰と陽の両側面からベルリンの魅力的貌を紹介.

序 『舞姫』のベルリン

枠構造の都市小説『舞姫』/「歐羅巴の新大都」ベルリン/「この自由なる大学」フリードリヒ・ヴィルヘルム大学/獣苑(ティーアガルテン)/「半天に浮かび出でたる凱旋塔の神女の像」/クロスター巷の古寺/マリーエン教会/「天に身を落とす」エリスの住まい/豊太郎の住むモンビシュウ街/ホテル・カイザーホーフ/公と私の対立構造

Ⅰ 中世から始まるベルリンの歴史

ケルンとベルリン—双子都市の誕生/熊の紋章とベルリン、ケルンの語源/橋で繋がれた古ベルリン地区とケルン地区/メムハルトのベルリン最古の地図/ウンター・デン・リンデンの建設/新地区の成立/武器庫(Zeughaus)と「瀕死の戦士」の彫刻/選帝侯から国王へ・王都ベルリンの誕生/王宮とシャルロッテン宮/軍人王フリードリヒ・ヴィル/ヘルム一世とプロイセン・ミリタリズム/フリードリヒ二世(大王)と無憂宮/フリードリヒ・フォーラムのオペラハウス/王立図書館(コモーデ)/フンボルトが創設したベルリン大学/ナポレオン戦争と「ドイツ国民に告ぐ」/日本人留学生も学んだ学都ベルリン

Ⅱ 凱旋パレードの舞台としてのリンデン街

ブランデンブルク門/ナポレオン軍による入城洗礼/「馬車泥棒」ナポレオン/フリードリヒ大王の騎馬像/三月革命の挫折と王権の再興/ビスマルクの登場、ケーニヒグレーツの会戦/普仏戦争の勝利とドイツ帝国の樹立/凱旋パレード/「新衛兵所」/帝政ドイツの官庁街・ヴィルヘルム通り/狂気の果ての夢の跡 

Ⅲ 世紀末ベルリンと第一次大戦の敗北

科学技術の発展と都市基盤の充実/国会議事堂の建設/第一次大戦の勃発とウンター・デン・リンデン街の軍事パレード/敗戦と帝政の崩壊、共和国家の誕生/皇帝の退位から共和国宣言へ/混乱の続く首都ベルリン/政治空間の移動・共和国(旧国王)広場からヴィルヘルム街へ/西の繁華街クーアフュルステンダムと大衆文化の繁栄/ドイツ映画の黄金期伝説のベルリン・カフェ/旧オーストリアやロシアの詩人たち/膨張を続けるベルリン/エーベルトの死とヒンデンブルクの大統領選出

Ⅳ 寛容と迫害の都市空間—ユダヤ文化の開花と抑圧—

啓蒙主義の首都/メンデルスゾーン、レッシング、ニコライの交友/ユダヤ人女性主催の文学サロンと出版人ニコライ/ベルリン最初のユダヤ人墓地/ユダヤ系市民の活躍/ヴァイセンゼー・ユダヤ人墓地/「穀倉地区」への東方ユダヤ人の流入

Ⅴ 歴史の激動に翻弄されるベルリン —ヴァイマル共和国の終焉から第三帝国を経て東西の分断へ

シュトレーゼマンの葬儀/ヒトラーの首相就任/国会炎上/オペラ座広場での焚書/すべてを取り込むナチスの演出/ナチス第三帝国の中枢・ヴィルヘルム街/ベルリン・オリンピック/第二次世界大戦と第三帝国の崩壊/廃墟のベルリン/米英仏ソの四カ国共同管理下のベルリン/ドイツ民主共和国(DDR)の首都再建/東西冷戦の最前線/壁の構築・引き裂かれた都市ベルリン/壁の展示場

Ⅵ 壁の崩壊と再統一

「陸の孤島」西ベルリン/封殺されたブランデンブルク門/地下鉄の幽霊駅/都心の国境駅・フリードリヒシュトラーセ駅/対立緩和への動き/交通の要衝・ポツダム広場/廃墟のポツダム広場/壁が走る冷戦下の最前線/首都再生の拠点/歴史を刻む国会議事堂/国会議事堂の再建/
再生の首都を一望する展望テラス/新首相府と新中央駅 

あとがき・ベルリン市歴史年表

平田達治(ヒラタタツジ)

1934年奈良生まれ。大阪大学大学院文学研究科(独文学専攻)修士課程修了。大阪大学大学院言語文化研究科教授を経て、1998年同大学を停年退官。大阪大学名誉教授。

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