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アーミッシュキルトを訪ねて

照らし出される日々の居場所へ

鈴木七美

紙 版電子版

美しいステッチと鮮やかな幾何学模様のアーミッシュキルト。彼らの誰一人として見捨てないコミュニティとキルトのかかわり。

出版年月2022年04月15日
ISBN978-4-87259-760-8 C3077
判型・頁数 A5判・310ページ
定価本体2,700円(税込2,970円)
在庫在庫あり
内容紹介
目 次
著者略歴

美しいステッチと鮮やかな色合いの幾何学模様のベッドカバーやマットとして作られてきたアーミッシュキルト。いまも馬車に乗り、電気を使わず、簡素な生活をすることで知られるアーミッシュ(オールドオーダーアーミッシュ)の人びとは、260年以上前に信教の自由を求めて北米に渡った。そのかれらの作るキルトが「アーミッシュキルト」として知られるようになり、収集されている。
本書では、かれらの作るキルトとともに、生き方、誰一人として見捨てないコミュニティのあり方とキルトとのかかわりを伝える。
口絵(カラー)では本書に登場するキルトと生活用品を8頁にわたって掲載。本文(モノクロ)では花や果実などの繊細なステッチの部分拡大とともに参照しやすく再掲している。多数の写真で日々の生活を紹介し、多様なキルトデザインやその名称、生活とのかかわり、素材も示しながら、かれらのたどってきた歴史と、多様なグループの誕生も紹介する。教育、兵役、成人、結婚、高齢者のケアなど、ライフコースをたどり、コミュニティのために開発されてきた事例も示す。一方で交流を広げようとする彼らの一面も紹介する。
(本書は国立民族学博物館にて2018年8月23日(木)~12月25日(火)に開催された企画展「アーミッシュ・キルトを訪ねて―そこに暮らし、そして世界に生きる人びと」の展示内容をもとに執筆された)

口絵(キルトと日用品)
はしがき
凡例

序 章
1 アーミッシュとアーミッシュキルト
2 キルトと居場所
3 ともに生きる人びとの居場所とは

第1章 アーミッシュキルトにかれらの暮らしを感じ取るために
1 アメリカンキルト
2 単色布を生かした幾何学模様のアーミッシュキルト

第2章 かれらの良き生き方のたどってきた道――信仰と行い
1 再洗礼派――聖書にもとづく新しい共同体
2 自分たちの聖書の理解を示した「シュライトハイム信仰告白」
3 再洗礼派における論点とコミュニティ
4 ヨーロッパにおけるアーミッシュ(アーミッシュメノナイト)の分裂

第3章 北米に移住したアーミッシュ――さまざまなグループの誕生
1 アメリカへの移動(マイグレーション)
2 一九世紀米国における「オールドオーダー」運動
3 二〇世紀の社会の変化とさまざまなグループの分離

第4章 日々の生活を慈しむキルト――アーミッシュの生活実践とその意味
1 頼り頼られる決意
2 聖書にもとづき互いに助け合う場所――教会コミュニティ
3 新しいテクノロジーへの対応
4 身につけるもの
5 離れていく仲間への厳しい制裁「シャニング」の意味

第5章 人生のみちゆきを表現するキルト――絆をつむぐ贈り物
1 若者から成人へ、将来を決める
2 アーミッシュの結婚――広がるコミュニティと交流
3 関係とケアをつなぐグロースドーディハウス
4 誰もが安心して過ごせる場(施設)――平和主義とケア空間の開発

第6章 誕生を祝い成長を願うキルト――生きる意味の探求
1 子どもたちの生活
2 アーミッシュスクール
3 アーミッシュの教育に関する闘い
4 アーミッシュメノナイトの学校
5 ライフロングラーニング――語り合いともに考える

第7章 遥かな人びとをつなぐキルト――交流の広がりから生まれる新たな地平
1 アーミッシュがかかわるビジネス
2 手作りの楽しみからケアのためにつくる鶏の缶詰
3 現代に続くキルティングビー――手芸を楽しみ人を想う
4 異なる者とつながる――ホスピタリティ
5 立ち寄り語りあう

終章

あとがき
引用と注釈
表 本書に掲載した国立民族学博物館所蔵標本資料の詳細
引用文献
索引 事項/人名/キルト(キルティング)関連

鈴木七美(スズキナナミ)

1958年宮城県仙台市生まれ。東北大学薬学部卒業,お茶の水女子大学大学院人間文化研究科(博士課程)修了。博士(学術)。国立民族学博物館/総合研究大学院大学教授。専門は歴史人類学,医療人類学,エイジング研究。
主な著書に『出産の歴史人類学―産婆世界の解体から自然出産運動へ』(新曜社,1997年,第13 回青山なを賞(女性史)),『癒しの歴史人類学―ハーブと水のシンボリズムへ』(世界思想社,2002年),『エイジングフレンドリー・コミュニティ―超高齢社会における人生最終章の暮らし方』(新曜社,2019年),『高齢者のウェルビーイングとライフデザインの協働』(共編著,御茶の水書房,2010年)などがある。

NEWS・イベント・書評等

書評・紹介 2023年1月12日

『アーミッシュキルトを訪ねて』が書評掲載されました

『図書新聞』2023.1.21号にて、本書が書評掲載されました。「読者をアーミッシュの世界へと導いてくれる書」評者は野村奈央先生(埼玉大学)です。


書評・紹介 2022年12月9日

『アーミッシュキルトを訪ねて』が『アメリカ学会会報』にて紹介されました

【メディア掲載】『アメリカ学会会報』11月号の新刊紹介欄にて、『アーミッシュキルトを訪ねて―照らし出される日々の居場所へ』(鈴木七美・著)をご紹介頂きました。評者は野村奈央先生(埼玉大学)です。


書評・紹介 2022年10月4日

民博通信で『アーミッシュキルトを訪ねて』が紹介されました。

国立民族学博物館『民博通信Online6号』にて『アーミッシュキルトを訪ねて―照らし出される日々の居場所』(鈴木七美・著)が紹介されました。

https://www.minpaku.ac.jp/tsushin/six/


書評・紹介 2022年5月20日

奈良新聞で『アーミッシュキルトを訪ねて』が紹介されました 

『アーミッシュキルトを訪ねて-照らし出される日々の居場所へ』(鈴木七美・著)が、5/8の奈良新聞にて紹介されました。
国立民族学博物館教授(歴史人類学)の著者がアーミッシュキルトを通して、あえて文明の利器を使わず簡素な生活を送る彼らの歴史や文化を紹介。